日本皮膚科学会雑誌
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Papulovesicular light eruption(PVLE)の作用波長の検討
宮元 千寿Chin-Huai Keong佐藤 吉昭
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1990 年 100 巻 5 号 p. 581-

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抄録

東芝蛍光ランプFL20SE(以下SE)およびFL20BLB(以下BLB)を光源として,Papulovesicular light eruption(PVLE)8例につき作用波長の検討を行った.SEによる2MED同一部位3日連続反復照射で丘疹誘発は50.0%,瘙痒誘発は100%であり,3~5MED1回照射による丘疹誘発は12.5%,瘙痒誘発は75.0%であった.SEによって皮疹を誘発しえた4例は,全例フィルターのないBLB20分(東芝Radiometer,Model UVR-305/365で測定したUVAの照射量は6J/cm2)同一部位2日連続反復照射によっても同様の皮疹を誘発しえた.しかしシャープ・カット・フィルターUV-35を併用したBLB50分(同Radiometerで測定したUVAの照射量は6J/cm2)同一部位2日連続反復照射では,いずれも誘発しえなかった.従って,PLEのsubsetの一つであるPVLEの作用波長は主としてUVBにあるが,320~340nmのいわゆる‘border spectrum’についての検討も重要であると考えられた.

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© 1990 日本皮膚科学会
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