1991 年 101 巻 14 号 p. 1755-
Epidermodysplasia verruciformis(以下EVと略)の皮疹部のうち,組織学的に澄明変性細胞を有する部分,Bowen病様の所見を示す部分などについて,顕微蛍光側光法を用いて,核DNA量パターンを比較・検討した.その結果,澄明変性細胞の見られる部分のDNA indexは1.0,6C以上のpolyploid cell出現率は0で,正常表皮とほぼ同様の核DNA量パターンを示した.Bowen病様変化の部分のDNA indexは1.20~1.29.,polyploid cell出現率は4~12%であった.EVにおいては,細胞に異型性の出現する段階になってはじめて核DNAレベルでの変化が始まるものと考えられた.