日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
Cutaneous T cell lymphoma 患者の末梢血リンパ球サブセットと予後との関係について
松崎 敏子宮沢 めぐみ家本 亥二郎金 秀澤馬場 直子宮本 秀明長谷 哲男中嶋 弘
著者情報
ジャーナル 認証あり

1992 年 102 巻 12 号 p. 1513-

詳細
抄録

横浜市立大学皮膚科において経験した23例のCutaneous T cell lymphoma(CTCL)の末梢血リンパ球のCD3,CD4,CD8,CD4/8,及びLDHの値と治療効果,予後との相関についてKaplan Meier法による生存曲線を用いて検討した.また,2名の患者について異なる時期にこれらを数回測定し,値の変化と病期の進行について検討した.対象はCTCLのTNM分類によるⅠA期4例,ⅠB期8例,ⅡA期3例,ⅡB期5例,Ⅲ期1例,ⅣA期2例であった.このうち,ⅠA,Ⅲ期の各1例に病期の進行が認められた.治療はⅠA,ⅠB,ⅡA期にはおもに紫外線療法(PUVA療法),ⅡA期以降のものには化学療法,電子線療法,及びこれらの併用療法を行った.死亡例は4例であり,治療前の病期はⅠA,ⅡB,Ⅲ,ⅣA期各1例であった.末梢血中リンパ球サブセットについては,CD3陽性細胞50%以下,CD4陽性細胞30%以下,CD4/8比1以下,HLADR陽性細胞40%以上,及びLDH値400mU/ml以上の症例では有意に予後が悪いという結果が得られた.

著者関連情報
© 1992 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top