日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
表皮角化細胞におけるⅦ型コラーゲンの発現
野村 和夫沢村 大輔菅原 隆光佐藤 俊中野 創梅木 薫三橋 善比古橋本 功
著者情報
ジャーナル 認証あり

1992 年 102 巻 14 号 p. 1735-

詳細
抄録

表皮,真皮境界部アンカリングフィブリルの主要構成成分であるⅦ型コラーゲンの,表皮角化細胞における遺伝子および蛋白発現を検索した.正常ヒト角化細胞(NHEK)を無刺激,あるいはtransforming growth factor-β1(TGF-β1),interleukin-1α(IL-1α)の存在下で培養後RNAを採取し,Ⅶ型コラーゲンcDNA(K-131)をプローブとしてノーザンブロットを行った.また,培養ヒト有棘細胞癌由来細胞(HSC-1)からもRNAを採取し,同様にノーザンブロットを行った.その結果,無刺激ではNHEKでかすかに発現しているのみであったが,TGF-β1刺激で発現の高度の増強がみられた.IL-1αでは発現はみられなかった.またHSC-1での発現はみられなかった.次に同様の条件で培養したNHEKについて,抗Ⅶ型コラーゲンモノクローナル抗体を用いて間接蛍光抗体法を行った.その結果,TGF-β1刺激下では細胞質に蛍光の明らかな増強が観察された.しかし,IL-1α刺激では蛍光の増強はみられなかった.以上の結果から. Ⅶ型コラーゲンは蛋白,遺伝子とも正常のヒト表皮角化細胞で発現しており,かつ,それらの発現はTGF-β1で増強されることが示された.

著者関連情報
© 1992 日本皮膚科学会
次の記事
feedback
Top