日本皮膚科学会雑誌
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ピアスによる金皮膚炎10例の臨床的・病理組織学的・免疫組織学的検討
中田 土起丈飯島 正文藤澤 龍一中山 秀夫
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1992 年 102 巻 7 号 p. 815-

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抄録

ピアスによる金皮膚炎の10例を経験した.症例は全て女性,18~39歳の10例で,いずれも18K製もしくは24K製ピアス型イヤリング装着2週~5ヵ月後,耳柔に発赤,腫脹,皮内結節出現,高度の惨出液を伴う症例も認められた.5例を病理組織学的に検索した結果,皮内結節は単なる表皮嚢腫ではなく,多数の好酸球を混じたリンパ球主体の稠密な細胞浸潤であった.また5例中2例でリンパ濾胞様構造を認めた.4例を免疫組織学的に検討した結果,真皮内浸潤細胞はHLA-DR陽性,CD3陽性のTリンパ球であった.4例中2例ではCD4陽性のhelper/inducer T cellがCD8陽性のsuppressor/cytotoxic T cell に比し優位であったが,他の2例では有意差は認められなかった.以上の臨床的・病理組織学的・免疫組織学的所見から,本症に伴う難治性の皮内結節に対しては外科的切除術が有効な治療法の一つと考えられた.またパッチテストでは10例中9例で0.2%塩化金酸と同時に0.05%塩化第二水銀に対しても陽性所見が得られ,発症機序の上で水銀アレルギーとの関連に興味がもたれた.金と水銀の交差アレルギーについて外殻電子配置の点から考察を試みた.以上の本症の発症機序に関する考察から,本症の具体的な発症予防法について提言した.

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© 1992 日本皮膚科学会
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