日本皮膚科学会雑誌
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全身性強皮症のエクリン汗腺にみられたclear reticulated cytoplasm
佐々木 哲雄中嶋 弘
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1992 年 102 巻 7 号 p. 843-

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抄録

エクリン汗腺のclear reticulated cytoplasmの所見が前腕の組織検査で偶然発見された全身性強皮症(PSS)の一例を報告した.症例は60歳,女性で,52歳時Raynaud現象で発症.手指,手背の皮膚硬化,びまん性色素沈着,毛細血管拡張,抗核抗体陽性(discrete speckledパターン),食道運動低下,乾燥性角膜炎の所見などからPSS(Barnett2型)+Sjogren症候群と診断.前腕伸側からの皮膚生検組織で汗腺(分泌部)のすべての腺房が一様に暗調細胞を欠き,空胞化した明調細胞で占められている所見を見いだした.PAP法によるCEA染色で明調細胞間に細胞間分泌細管と思われる構造が明瞭に認められた.本例では明らかな発汗異常はみられなかった.本所見が見いだされたのは自験PSSおよび限局性強皮症120生検標本中,本例のみであった.

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© 1992 日本皮膚科学会
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