日本皮膚科学会雑誌
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Apoptosisを生じたAMoL特異疹
大倉 光裕碇 優子馬場 タカ子溝口 昌子野村 眞智子高桑 俊文
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1993 年 103 巻 11 号 p. 1437-

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抄録

Apoptosisはnecrosisとは違った細胞死であり,近年programmed cell deathでの細胞死として注目されている.急性単球性白血病(AMoL)患者(49歳男性)に化学療法(エノシタビン,ダウノルビシン,メルカプトプリン,プレドニゾロン)施行中に浸潤がある紅斑ないし紅色丘疹が四肢,躯幹に出現し,病理学的にAMoLの特異疹であった.皮疹の電顕的検索で腫瘍細胞に細胞質・核・核クロマチンの凝集などのapoptosisに特徴的所見が認められた.apoptosisは様々な要因で生ずるが,経過や皮疹の酵素抗体法の所見などから自験例では治療の影響により生じた可能性が考えられた.

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© 1993 日本皮膚科学会
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