1993 年 103 巻 7 号 p. 947-
自験陥入爪31例39趾に対し爪床爪郭弁法を改変し後爪郭形成を加えた手術を行った.術式はlabiomatricectomyと爪床爪郭弁法の中間的なものであり,後爪郭と側爪郭の移行する部分を皮弁として用いて再生爪甲が後爪郭から表出する出口の幅を確保するものである.自験例に基づき術式の具体的な手技を述べると共にlabiomatricectomy・爪床爪郭弁法と術式の比較検討を行い,後爪郭形成術の意義について詳述した.本法は従来の方法にも応用可能であり,爪甲の再陥入や異所性爪の発生等の問題も少なく,整容的にも利点のある方法と考えた.