日本皮膚科学会雑誌
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汎発性強皮症患者血漿中のヒスタミン値について
菊池 かな子藤本 学尹 浩信佐藤 伸一五十嵐 敦之相馬 良直竹原 和彦石橋 康正
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1994 年 104 巻 1 号 p. 23-

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抄録

汎発性強皮症(SSc)患者50例,健常人20例の血漿中ヒスタミン値をラジオイムノアッセイにて測定した.SSc患者全体の血漿中ヒスタミン値の平均では正常コントロールと比較して特に有意な差は認められなかった.しかし,diffuse SSc患者16例の血漿ヒスタミン値は正常コントロール及びlimited SSc患者34例と比較し有意に高値であった.正常コントロールの平均+2SDを越えるものを高値とした場合,SSc患者の7例(14%),diffuse SSc患者16例中6例(38%)が血漿ヒスタミン高値と判定とされた.血漿ヒスタミン高値例の臨床症状,拡査所見の検討では,胸部X線上の肺線維化及び皮膚瘙痒が有意に高率であった.以上より血漿ヒスタミン値がSScの重症度を反映している可能性が示された.

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© 1994 日本皮膚科学会
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