1994 年 104 巻 10 号 p. 1269-
Cryptococcus neoformansのphosphoribosyl anthranilate isomerase-encoding gene(TRP1)とorotidine monophosphate pyrophosphorylase(URA5)の各々のDNAの塩基配列中にDNAの増幅領域を設定し,PCR法を行った.その結果,Cr. neoformansではそれぞれの標的DNAの増幅が認められたが,他の真菌やヒトDNAでは増幅は認められなかった.また,サザンプロットハイプリダイゼーションではCr. neoformansから増幅されたDNAは各々のプローブDNAと結合した.以上の結果から,PCR法によるDNA診断はクリプトコックス症においても新たな診断法となり得ることが示唆された.