日本皮膚科学会雑誌
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顔面播種状粟粒性狼瘡の免疫組織化学的研究 慢性肉芽腫性炎症におけるトロンボモジュリン 陽性浸潤細胞について
飯泉 陽子黒崎 百合子伊崎 誠一北村 啓次郎丸山 征郎
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1994 年 104 巻 4 号 p. 589-

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抄録

トロンボモジュリン(TM)は内皮細胞の膜上に存在し,血管内の血液の流動性を保つ働きをしている.今回われわれは,顔面播種状粟粒性狼瘡においてTMに対する抗体を用いて免疫組織化学を行った.その結果,血管内皮細胞のほか,血管周囲の炎症性細胞浸潤巣内,および完成された類上皮細胞肉芽腫の周辺にTM陽性細胞を確認し,これらがLysozyme陽性組織球あるいはCD68陽性組織球と異なる一群の細胞であることを免疫組織化学的に確認した.皮膚慢性肉芽腫性疾患に出現する浸潤細胞は主として単核食細胞系に属する組織球ならびに類上皮細胞であるが,このような炎症組織における浸潤細胞の免疫組織化学的なマーカーとしての,TMの新たな意義が示唆される.

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© 1994 日本皮膚科学会
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