日本皮膚科学会雑誌
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腸性肢端皮膚炎様皮疹を伴った神経性食欲不振症
上出 良一佐藤 優子新村 眞人
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1995 年 105 巻 10 号 p. 1343-

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抄録

症例は26歳,女.20歳頃より食事の極端な制限,強制嘔吐,緩下剤の服用により体重が著明に減少し,躯幹,四肢に鱗屑を伴う痂皮,紅斑が出現した.低亜鉛血症,低アミノ酸血症がみられ,神経性食欲不振症に伴う栄養障害性皮疹の診断にて,亜鉛,アミノ酸などを含む高カロリー輸液を施行したところ皮疹は急速に改善した.神経性食欲不振症は慢性の低栄養状態に陥り様々な身体症状,皮膚症状を呈する.本症例にみられた皮疹は腸性肢端皮膚炎様であるが,壊死性遊走性紅斑やkwashiorkorとも類似する点があり,亜鉛欠乏,アミノ酸欠乏を主体とする複合的栄養障害を基盤に,人為的な機械的刺激も加わり生じたものと考えた.

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© 1995 日本皮膚科学会
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