日本皮膚科学会雑誌
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皮膚白血病-慶大皮膚科にて経験した13症例の臨床的,病理組織学的検討
菊池 新清水 宏西川 武二岡本 真一郎池田 康夫
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1995 年 105 巻 2 号 p. 139-

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抄録

慶大皮膚科において1980年~1994年に経験した特異疹を認めた皮膚白血病13症例(ATLを除く)につき,臨床的・病理組織学的に検討した.年齢は2歳~72歳に認められたが,1例を除き壮年以降に発症し,男女比は6:7であった.皮疹の臨床所見は,浸潤をともなう紅斑5例,丘疹~小結節4例,多発性の腫瘤1例,皮下硬結1例,紅斑・丘疹・小結節・紫斑を混じるもの1例,紅皮症1例であった.病理組織学的には,真皮にびまん性に白血病細胞の浸潤を認めるものが多く,特に膠原線維間への密な浸潤が特徴的所見であった.腫瘤を形成するものでは,胞巣内に分裂像をともなう白血病細胞が多数認められ,いわゆる肉腫様の組織像を呈していた.今回の結果より,皮膚白血病は臨床・病理組織学的に非常に多様性に富む疾患群であり,それぞれの発生頻度,予後は原疾患に依存することが示唆された.

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© 1995 日本皮膚科学会
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