日本皮膚科学会雑誌
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Lichen Planopilarisの1例 ―ケラチン発現の免疫組織化学的検討―
大西 誉光小方 秀子渡辺 晋一高橋 久
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1995 年 105 巻 8 号 p. 1109-

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抄録
38歳,男性,バングラディシュ人.3ヵ月前より徐々に拡大する四肢・臀部の瘙痒性皮疹を主訴に来院.貨幣大までの黒色調の境界明瞭な軽度に隆起する角化性扁平局面と褐色調の毛孔一致性丘疹を認めた.扁平局面より生検し,組織学的に顆粒層の肥厚,毛嚢周囲性の炎症細胞浸潤と毛嚢基底層の液状変性を認めた.臨床組織学的に扁平局面型のLichen planopilarisと診断した.ケラチンの発現の免疫組織化学的検討により,自験例の病変の中心部位は毛漏斗部と考えられた.また漏斗部を中心にいくつかの抗体で正常と比べて染色性の変化がみられたが,他の炎症性疾患にも共通する非特異的な変化と考えられた.
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© 1995 日本皮膚科学会
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