日本皮膚科学会雑誌
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豚表皮DNA合成とβアドレナリンアデニル酸シクラーゼ反応性に与える各種漢方生薬,方剤の作用
橋本 喜夫田村 俊哉高橋 英俊飯塚 一
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1996 年 106 巻 8 号 p. 1083-

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抄録

柴胡,連翹など皮膚科領域に頻用される28種の生薬と22種の方剤が豚表皮DNA合成とβアドレナリンアデニル酸シクラーゼ反応性に与える影響を豚皮膚器官培養系を用いて検討した.黄連、黄柏、連翹,麻黄,地黄,川獅,茯苓,蒼朮,厚朴,升麻,大黄は3H-thymidine取込みを著明に抑制し,柴胡,黄ゥaC荊芥、連翹,桂枝,茯苓,牡丹皮,桃仁はβアドレナリンアデニル酸シクラーゼ反応性を有意に増強した.また方剤単位では黄連解毒湯、温清飲,桂枝茯苓丸,荊芥連翹湯,防風通聖散,通導散,消風散,治頭瘡一方,三黄瀉心湯,三物黄ゥs窒ェ有意にDNA合成を抑制し,DNA-flow cytometryではGl arrestが示された.黄連解毒湯、湯清飲、通導散、荊芥連翹湯,葛根湯,防風通聖散はβアドレナリンアデニル酸シクラーゼ反応性を有意に抑制した.このうち,黄連解毒湯,通導散については、豚表皮細胞G蛋白のADPリボシル化に対する作用を検討したが,影響は認めなかった.

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© 1996 日本皮膚科学会
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