1993年1月から1995年12月までの3年間に星ヶ丘厚生年金病院皮膚科で外科的治療を行った仙骨部褥瘡の患者12例(男性5名,女性7名)につき,外科的治療の適応,手術術式,合併症,予後について考察を行った.患者年齢は23歳から,83歳までで,平均57歳であった.手術術式は、局所皮弁4例,筋膜皮弁6例,筋皮弁2例であった.基礎疾患は,背髄炎などの脳・神経系の疾患が9例と最も多かった.術後観察期間は平均1年9ヵ月であった.局所皮弁を行った1例に再発を認めた.仙骨部褥瘡の手術術式として,筋膜皮弁,筋皮弁が比較的よく行われているが,局所皮弁も筋皮穿通枝を皮弁に含めるなどの手術方法の工夫をすれば,優れた術式であると考えられた.