日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
ヒト・シスタチンAゲノム構造の解析
山崎 正視
著者情報
ジャーナル 認証あり

1997 年 107 巻 11 号 p. 1365-

詳細
抄録

シスタチンAは細胞質内に存在するシステインプロテアーゼインヒビターである.表皮ではコーニファイドエンベロップ及びケラトヒアリン顆粒の1成分となっていることが知られている.本実験で,従来報告のなかったヒト・シスタチンAのゲノム構造の解析を行い,いくつかの知見を得た.ヒト・シスタチンB及びラット・シスタチンβと同様に3つのエクソンがあり,それぞれ111bp,102bp,226bpで,第1イントロンは約14kbp,第2イントロンは4kbpであった.シスタチンスーパーファミリーで保存されているQVVAGのアミノ酸配列は第2エクソン上に存在した.プロモーター領域にはSP-1,AP-2の予想結合部位が,第1イントロンにはAP-1の予想結合部位が存在したが典型的なCAATボックスやTATAボックスは認められなかった.また,ヒト・ケラチノサイトをTPA(50ng/ml),UVB(5mJ/cm2)で処理することによりシスタチンA mRNAが著明に誘導され,この発現はシクロヘキシミド(10μM)の添加により抑制された.イントロン領域の情報から各エクソンをPCR法により増幅することができるので,今後シスタチンAの突然変異を持つ家系の発見や,それに伴った皮膚疾患の解明に有用と思われた.

著者関連情報
© 1997 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top