日本皮膚科学会雑誌
過去10年間における脂漏性角化症の発症に関する統計的検討
金子 信幸
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107 巻 (1997) 4 号 p. 529-

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抄録

過去10年間の生検で確定診断した脂漏性角化症408例について検討した.脂漏性角化症は受診時年齢50歳以上の男女に特に多く,露出部ならびに非露出部のいずれにもみられた.露出部,非露出部では組織型に特徴はなく組織型と腫瘍誘発因子としての露出とは相関はなかった.腫瘍個数が多いことや露出部発症は女より男に多くみられた.Hyperkeratotic type,acanthotic type, およびirritated typeの3型に分けて検討したがその割合は男女間で差がみられなかった.各組織型は年齢や発症部位に無関係で各個体により細胞増殖に関与する因子がそれぞれ異なるものと考えられた.臨床型ならびに色調と各組織型との相関はなく,その推測や同定はむずかしいといえる.受診時年齢のピークは男女とも50歳~60歳であった.水野らの報告に比し受診時年齢が10歳延長していた.受診の要因は男女ともに,腫瘍が大きくまた数が多いなどの外観あるいは美容的理由によるものと,黒色調を呈し,悪性腫瘍の心配などであった.

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© 1997 日本皮膚科学会
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