日本皮膚科学会雑誌
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ストレスと皮膚―過密ストレスモデルによる皮膚生理学的変化―
神永 博子四宮 達郎
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1997 年 107 巻 5 号 p. 615-

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抄録

ストレスは生体に様々な影響を及ぼすといわれているが,皮膚科学領域での学術的な知見はほとんど得られていないのが現状である.そこで,ストレスが及ぼす影響を血液生化学検査,皮膚抽出成分の測定,皮膚色測定,皮膚組織学的検索の観点から検討した.血液成分ではコレステロール,アルカリフォスファターゼ活性などに変動がみられ,ストレスは全身的な影響を示すことが確認された.また,皮膚抽出成分においてもアルカリフォスファターゼ活性などに変動がみられた.皮膚色はストレスにより,明度L*値,黄色味b*値の上昇,赤味a*値,彩度C*値の低下が観察された.組織学的検討として,表皮DOPA染色によるメラノサイトの観察を行ったところ,ストレスで増加傾向を示し,メラノジェネシスが亢進している可能性が示された.また,表皮のATPase染色によるランゲルハンス細胞の観察を行ったところ,ストレスで減少傾向を示し,皮膚の免疫能が低下している可能性が示された.以上より,ストレスは皮膚そのものに対しても様々な影響を及ぼしていることが明らかとなった.

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© 1997 日本皮膚科学会
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