横浜市立大学医学部附属病院において骨髄移植および末梢血幹細胞移植後に生じた急性GVHD患者皮膚15例18検体,慢性GVHD患者皮膚3例においてTUNEL法を用いた組織化学的標識法により表皮角化細胞のアポトーシスを検討した.急性GVHDでは15例中6例に表皮内にアポトーシス細胞が認められた.これは表皮細胞の障害が強くなるほど多く認められ,組織重症度の指標になりうることが示唆された.慢性GVHDではアポトーシス細胞は認められなかった.急性GVHDにおいては表皮細胞以外の細胞にもアポトーシス細胞が認められたが,それらの細胞にはT細胞が含まれていることがTUNEL法と抗CD3抗体を用いた免疫組織化学との二重染色により証明された.T細胞のアポトーシスと組織重症度との間には関連性は認められなかった.