日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
尋常性乾癬におけるシクロスポリン1.5mg/kg 1日1回内服法とステロイド外用療法併用の臨床効果についての検討
梅澤 慶紀大井 綱郎古賀 道之
著者情報
ジャーナル 認証あり

1998 年 108 巻 14 号 p. 1965-

詳細
抄録

尋常性乾癬に対する治療薬として,免疫抑制剤であるシクロスポリン(CYA)の有効性はすでに認められている.しかし,一方で肝障害,腎障害などの副作用の面で注意を要する薬剤であり,副作用予防のため可能な限り低用量で内服治療されることが必要である.尋常性乾癬患者に対し,通常CYAの内服方法は臓器移植と同じ1日2回分割内服法が行われている.今回,ステロイド外用療法を併用し,CYAの低用量内服法として,1.5mg/kg 1日1回内服法を試み,3.0mg/kg 1日2回分割内服法と比較した.対象は1.5mg/kg 1日1回内服群:10名,3.0mg/kg 1日2回分割内服群:11名とし,それぞれCYAを同量で8週間継続し,治療前後のPASIスコアの比較により,治療効果を判定した.その結果は,1.5mg/kg 1日1回内服群では平均改善率:81.1%,3.0mg/kg 1日2回分割内服群では,82.3%であった.このことから,1.5mg/kg 1日1回内服法は,3.0mg/kg 1日2回分割内服法と比べほぼ同程度の治療効果が得られるものと判断した.1.5mg/kg 1日1回内服法はCYA低用量内服法の1つとして試みて良い方法と思われ,乾癬を含む皮膚疾患に対するCYA療法は,臓器移植で行われる内服方法にとらわれず,より適切な内服方法を模索すべきものと考えられた.

著者関連情報
© 1998 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top