日本皮膚科学会雑誌
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Solitary Cutaneous Malignant Schwannomaの1例―p53遺伝子産物の免疫組織化学的検討―
兼古 理恵斎藤 和哉嵯峨 賢次杉山 貞夫神保 孝一下田 久美子
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1998 年 108 巻 14 号 p. 1977-

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抄録

Neurofibromatosis 1を伴わずに発症したsolitary cutaneous malignant schwannomaを検討し,免疫組織化学的,電顕的検索を行ったので報告する.症例は68歳男性.左前胸部に50×26×10mmの皮下腫瘤が存在した.大胸筋の一部を含めて切除した.腫瘍を構成する細胞は紡錐形で束をなして錯綜し,抗S-100α抗体陽性,抗S-100β抗体陰性,抗NSE抗体陽性,抗vimentin抗体陽性であった.電顕的には核小体およびヘテロクロマチンが発達し,核の異型性がつよく,一部の細胞では基底膜構造の部分的消失を認めた.また,p53蛋白抗体CM1染色は陰性,p53のdown regulatorであるmdm2蛋白に対するMDM2抗体染色は陽性であった.malignant schwannomaの発症において,他のsoft tissue sarcomaと同様に,発癌遺伝子であるp53が関与している可能性が示唆された.

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© 1998 日本皮膚科学会
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