日本皮膚科学会雑誌
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POOLED CONTROLを用いた膿疱性乾癬の症例対照研究
黒沢 美智子稲葉 裕大河原 章小川 秀興横山 徹爾森岡 聖次川村 孝田中 平三橋本 勉大野 良之
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1999 年 109 巻 10 号 p. 1461-

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抄録

稀少疾患の発症要因解明には症例対照研究が有効であるが,膿疱性乾癬の生活習慣に関しては今まで系統的には行われていなかった.Pooled Controlは全国約74,000人の性・年齢階級・地域別の対照群で平成7年(1995年)に厚生省特定疾患難病の疫学調査研究班によって設定された.本研究は膿疱性乾癬患者の生活習慣調査結果とPooled Controlの結果を比較し,膿疱性乾癬の病因に関連する傾向を明らかにすることを目的に平成7年(1995年)より調査を開始した.対象は平成3年(1991年)以降の診断で年齢20歳以上の基準を満たす例で,平成9(1997年)年度までに全国45施設から生活習慣調査票92例を収集した.基準を満たしていたのは50例で,Pooled Controlとマッチングできたのは47例だった.解析の結果,リスクを高くする要因であったのは「睡眠時間短」「朝食食べない」「喫煙習慣」等,不規則な生活習慣と「牛肉」「フライ」「バター」などの脂肪の摂取頻度多であった.「ニンジン」「ミカン」など,ビタミンや「干魚」の摂取頻度が多い人のリスクは低かった.

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© 1999 日本皮膚科学会
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