日本皮膚科学会雑誌
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過増殖表皮における脱イミノ化タンパク質の局在
橋本 幸子真鍋 求須賀 康溝口 将之千秋 達雄小川 秀興
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1999 年 109 巻 11 号 p. 1609-

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抄録

タンパク質脱イミノ化酵素(peptidylarginine deiminase)は,表皮の最終分化過程において,その生物学的役割が注目されている酵素である.我々は抗修飾シトルリン抗体を用いて過増殖表皮の脱イミノ化タンパク質の局在を検討した.その結果,脱イミノ化タンパク質は正常表皮では角層最下層の細胞質中にのみ局在し,錯角化を伴う過増殖表皮では角層に残存する核に局在していた.この所見は,異常角化過程におけるPADの動態を推察する上で興味深い所見と思われる.

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© 1999 日本皮膚科学会
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