日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
足白癬患者からバスマットに散布された皮膚糸状菌の除菌方法の検討
谷口 裕子渡邊 京子丸山 隆児加藤 卓朗西岡 清
著者情報
ジャーナル 認証あり

2000 年 110 巻 8 号 p. 1289-

詳細
抄録

足白癬患者が踏んだバスマットを被験者が踏んだ後施行したFoot-press培養法で多数の皮膚糸状菌(白癬菌)が分離された.このバスマットに処置を行った後,再度Foot-press培養法を施行することにより,足白癬患者からバスマット上に散布された菌の除菌方法について検討した.無処置で2回連続してFoot-press培養法を行った場合,バスマット上の菌の残存率(2回目の集落数/1回目の集落数)はっ平均65.7%であったが,タオルで拭くと18.2%,アイロンをかけると3.7%,洗濯すると0%となった.さらに消毒薬等の効果について検討したところ,残存率は,市販の除菌スプレー3.4%,ウェルパス■5.4%,0.5%ヒビテン■液6.5%,消毒用エタノール8.7%,酸性水43.2%,水道水59.2%であった.消毒薬をバスマットの除菌に用いることは使用法の適応外のことであり,洗濯,タオルで拭く,アイロンをかける,などの物理的な方法が適していると結論した.

著者関連情報
© 2000 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top