日本皮膚科学会雑誌
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パラコクシジオイデス症の1例
畑 康樹江守 裕一村田 隆幸仲 弥西川 武二
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2000 年 110 巻 8 号 p. 1307-

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抄録

ブラジル日系2世の44歳,男性患者にみられたパラコクシジオイデス症の1例を経験した.初診の約1年前より血漿を伴う咳嗽,嗄声が出現し,粘膜疹次いで皮疹を伴うようになった.近医にて結核の疑いにて抗結核薬を投与され,肺病変はやや改善するも,粘膜疹,皮疹は増悪し,当科を紹介受診.口腔,鼻腔粘膜疹と口角と鼻腔入口部に疣贅状の角化性紅斑,右肘頭部と臀部に痂皮と糜爛を伴う疣贅状局面を認めた.組織中に舵輪状の菌要素を確認.培養にて原因菌をParacoccidioides brasiliensisと同定した.イトラコナゾール200mg/日内服にて2ヵ月半後には軽快したため,同100mg/日に減量.12ヵ月内服中であるが,現在のところ再発を認めていない.本邦報告14例中,皮膚科領域からの皮疹の詳細な記載を伴った報告例はなく,輸入真菌症の増加が予想される現在,貴重な症例と考え報告した.

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© 2000 日本皮膚科学会
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