日本皮膚科学会雑誌
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原著
IMPシンチグラフィを用いた悪性黒色腫の検出―Gaシンチグラフィとの比較検討―
里見 久恵藤澤 裕志梅林 芳弘今門 純久大塚 藤男
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2001 年 111 巻 1 号 p. 13-19

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抄録

脳血流量測定用放射線薬剤として開発されたN-isopropyl-123I-iodoamphetamine(IMP)シンチグラフィはメラニン産生が活発な部位に取り込まれるため悪性黒色腫の原発,転移巣の発現に有用といわれている.今回我々は悪性黒色腫患者36例につきIMPシンチグラフィ(I-123-IMP)とGaシンチグラフィ(Ga-67)をほぼ同時期に施行し,その結果を比較検討した.原発巣に対する集積率はI-123-IMPが50%,Ga-67が22.7%,転移巣ではI-123-IMPが53.6%,Ga-67が46.4%と,原発巣,転移巣ともにI-123-IMPの方が集積率は高かった.また,I-123-IMPが陽性で腫瘍が存在しない症例はなかった.一方Ga-67は炎症部位も陽性所見を示し特異性もI-123-IMPに劣っていた.以上,悪性黒色腫検出において,鋭敏性,特異性ともにI-123-IMPの方が優れていることが判明した.

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© 2001 日本皮膚科学会
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