日本皮膚科学会雑誌
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原著
熊本県におけるツツガムシ病の診断・報告の現況―感染症サーベイランスの重要性―
松井 珠乃大山 卓昭岡部 信彦小野 友道
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2002 年 112 巻 9 号 p. 1253-1255

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抄録

1999年4月に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(略称:感染症法)」が施行され,感染症サーベイランスが法律に基づいて行われることになった.ツツガムシ病は全数把握のサーベイランス対象疾患となっている.熊本県における2000年のツツガムシ病症例報告の現状を調査する目的で,2001年1月末に熊本県臨床皮膚科医会会員105人にアンケートを郵送し,69名(65.7%)から回答を得た.感染症サーベイランスが行われていることを知っていたのは19名で,ツツガムシ病が全数把握疾患であることを知っていたのは18名であった.2000年にツツガムシ病症例を診断したと答えたのは12名で,症例は計19例であった.そのうち保健所への届け出が行われた症例は11例であった.サーベイランス情報の還元の現状についてのアンケートより,国立感染症研究所感染症情報センターのホームページ上で公開されている情報を見たことがあると答えたのは1名のみであり,新聞,広報などで見たことがあると答えたのは22名であった.

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