日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
原著
インターフェロンα-2bとリバビリンの併用療法中に発疹が出現した14例の検討
岩屋 聖子片山 寿子石地 尚興本田 まりこ上出 良一新村 眞人銭谷 幹男
著者情報
ジャーナル 認証あり

2003 年 113 巻 6 号 p. 961-964

詳細
抄録

平成13年12月からC型慢性肝炎に対する新しい治療法であるインターフェロンとリバビリンの併用療法が保険適応となり,当院内科では平成14年9月までに56例が投与を受けた.そのうち14例に副作用として発疹が生じた.14例の内訳は男13例,女1例.発疹は浮腫性紅斑が7例,点状紫斑が5例,扁平苔癬型が1例,乾癬型が1例であった.点状紫斑の病理組織像は,真皮乳頭層の浮腫,毛細血管の破綻と赤血球の漏出,血管周囲性のリンパ球浸潤が見られたが,血管炎は見られなかった.発疹の出現時期は治療開始1~90日目で様々であったが,半数は1週間以内に出現していた.乾癬型を除く全例で治療継続中に発疹は消退した.インターフェロン単独療法に比べ,リバビリンとの併用療法では,副作用としての発疹の発現頻度が高く,自験例では紫斑を呈する症例が他の報告例に比べ多かった.

著者関連情報
© 2003 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top