日本皮膚科学会雑誌
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原著
限局性弾力線維形成不全
中川 浩一吉田 慶子石井 正光
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2003 年 113 巻 9 号 p. 1431-1436

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抄録

患者は9カ月・女児で,背部に出生時より存在する,大きさ8×9 cmで,ほぼ菱形の萎縮局面を主訴に来院した.皮疹は全体に皮表より4~5 mm陥凹し,紅色から茶褐色を呈していた.家族歴,既往歴に特記すべきことはなく,上記病変以外に異常な身体所見はなかった.生検標本のHE染色では,表皮に異常なく,真皮乳頭層以下に膠原線維束の幅が太くなって均質化している所見が認められた.Elastica van Gieson染色では,真皮乳頭層の弾力線維,いわゆるoxytalan fiberはほぼ消失し,乳頭下層から網状層にかけてはelaunin fiberおよびelastic fiberの分裂・細断が観察された.さらにその下層では,elastic fiberがほとんど認められず,わずかに,血管周囲に細い弾力線維の残存が認められるのみであった.限局性弾力線維形成不全と診断し,文献的考察を加えた.

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© 2003 日本皮膚科学会
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