日本皮膚科学会雑誌
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原著
NC/Ngaマウスにおける皮疹の有無によるリンパ球サイトカイン産生の比較検討
高倉 桃子相原 道子忻 克勤奥田 研爾池澤 善郎
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2004 年 114 巻 12 号 p. 1881-1887

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抄録

アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis: AD)のマウスモデルであるNC/Ngaマウス(NCマウス)は,皮疹の発症とともに血清IgE値の上昇が認められ,Th2サイトカインの過剰産生が皮疹の形成に関与するとされている.今回,われわれは,ADの発症および維持におけるサイトカインの関与を明らかにする目的で,通常環境下で飼育して皮疹を自然発症したNCマウスと,未発症のNCマウスのTh1/Th2サイトカイン産生能を比較検討した.両群のマウスにおいて脾細胞およびリンパ節細胞をConcanavalin A刺激下で培養したところ,リンパ節細胞において,Th2サイトカイン(IL-4,IL-5,IL-13)のみならず,Th1サイトカイン(IFN-γ)およびIL-12も皮疹発症群で有意に産生亢進を認めた.血清IL-18値の比較では,7週齢においてIL-18が高値の群は,15週齢における重症皮疹の発症率が有意に上昇していた.これらの群では,血清IL-18値とTh1/Th2サイトカイン産生能との関連において一定の傾向はなかった.以上より,NCマウスの皮疹発症,維持にはTh2のみならずTh1細胞の活性化も関与する可能性と,7週齢における血清IL-18値の高値群は皮疹が重症化する可能性が示唆された.

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© 2004 日本皮膚科学会
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