日本皮膚科学会雑誌
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生涯教育講座
色素異常症(色素沈着症)―いわゆるシミを中心として―
村上 富美子溝口 昌子
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2004 年 114 巻 14 号 p. 2305-2310

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抄録

皮膚科医が後天性の限局性の色素沈着いわゆるシミとどの程度関与するかを知る目的で,1995年1年間にシミを主訴に聖マリアンナ医科大学病院に来院した458名につき統計的検討を行った.男性48名,女性410名であり,ほぼ1:9の割合で女性が圧倒的に多かった.平均年齢は男性44.5±22.1歳,女性47.4±13.9歳でほとんど差はなかった.年代別人数では,男性は各年代で大差なかったが60代がピークだった.女性は30代から60代が多く40代にピークがあった.老人性色素斑の発生部位は顔面が男26名,女229名で男女ともに最も多くみられた.四肢の色素斑は男性1名,女性88名で有意に女性に多かった(p<0.01).男性はスカートを着用する習慣がないため手背には老人性色素斑がみられるが下肢はまれであると考えられた.老人性色素斑については主として文献的に最近の知見を紹介した.後天性対称性真皮メラノサイトーシスは自験例100例を中心に,臨床的,組織学的特徴と共に原因に関して考察した.

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