日本皮膚科学会雑誌
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原著
両眼瞼の浮腫性紅斑を初発症状とした甲状腺機能亢進症の1例
榎本 さなえ山中 直樹伊藤 史朗山本 由紀子稲垣 宏
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2004 年 114 巻 4 号 p. 821-825

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抄録

症例,64歳,女性.2002年1月6日,両眼瞼から両頬部にかけての発赤・腫脹を主訴に来院した.両眼瞼の浮腫性紅斑をきたすものとして,皮膚筋炎,Sjögren症候群,肉芽腫性眼瞼炎,血管浮腫,接触性皮膚炎,光線過敏症,丹毒,上大静脈症候群等が考えられたが,血液生化学検査・病理組織学検査・甲状腺機能検査の結果からバセドウ病と診断した.抗甲状腺薬チアマゾール20 mg/day内服を開始したところ,4~5日で皮膚症状は消退がみられた.以上の結果および経過から顔面の皮疹はバセドウ病に伴う皮膚症状であると結論した.

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© 2004 日本皮膚科学会
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