平成4年3月から14年6月の10年4カ月間に経験した33例の接触皮膚炎症候群についてまとめた.年齢は17~79歳,男16例,女17例であった.原病巣の部位は,頭部15例,上肢,下肢各9例で体幹例はなかった.パッチテストの結果から原因と考えられた製品は,ヘアダイ13例,ゴム製品12例,外用剤7例,その他3例(重複例2例を含む)であった.アレルゲンでは,ヘアダイ関連のパラフェニレンジアミン,パラアミノアゾベンゼン,塩酸パラトルエンジアミン,オルトフェニレンジアミン,ゴム関連の6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジハイドロキノリン,N-イソプロピル-N’-フェニルパラフェニレンジアミン,PPD black rubber mix,チウラムミックス,その他の塩化コバルト,ネオマイシンにパッチテスト陽性例が多かった.また末梢血好酸球増多は,検査を行っていた15例中8例に認めた.