日本皮膚科学会雑誌
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原著
Bowen病の附属器上皮内進展に関する病理組織学的検討
岡島 加代子木村 鉄宣安齋 眞一
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2005 年 115 巻 14 号 p. 2389-2393

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抄録
札幌皮膚病理研究所で病理診断したBowen病164例について,腫瘍細胞の附属器上皮への進展の有無を検討した.男性53例,女性111例,病変切除時の平均年齢73.7歳の164症例中毛包61例(37.2%),エクリン汗管74例(45.1%)の総計91症例(55.5%)で毛包あるいはエクリン汗管上皮内に腫瘍細胞が存在していることを確認した.男性ではエクリン汗管で,女性では毛包に腫瘍細胞進展の出現する率が高かった.発生部位別の検討では,上肢では43.8%(毛包31.3%,エクリン汗管31.3%),躯幹では57.8%(毛包35.9%,エクリン汗管46.9%),外陰部では63.6%(毛包45.5%,エクリン汗管36.4%),そして,下肢では54.8%(毛包30.1%,エクリン汗管45.1%),の症例で付属器上皮内進展があった.上肢では比較的附属器上皮内進展が少なく,外陰部では多い傾向にあった.男女別では,女性の外陰部に多く,四肢に少ない傾向があり,男性の上肢・外陰部に少なく下肢に多い傾向があった.Bowen病では,腫瘍細胞の附属器上皮への進展は稀ではないことを認識しておくことはその診断および治療面において重要である.
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© 2005 日本皮膚科学会
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