日本皮膚科学会雑誌
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原著
放射線療法の奏効した無ないし低色素性基底細胞癌の3例
岡本 都子柴田 真一岩井 昭樹鈴木 さやか星野 慶黒田 潤富田 靖
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2005 年 115 巻 2 号 p. 157-162

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抄録

基底細胞癌に対して放射線療法の単独,ないし手術との併用により,良好な結果を得た3例を経験した.症例1は82歳女性で,右内眼角に一部色素を持った径3 cmを越える腫瘤を認めた.症例2は,69歳男性の肛門に隣接する潰瘍であった.症例3は79歳女性,右鼻唇溝部の無色素性結節で皮下に径2 cm程の浸潤を触れた.症例1は放射線療法と切除術との併用,症例2,3は放射線療法単独で良い治療結果を得る事が出来た.本邦においては基底細胞癌の治療法としては従来より外科的切除が第一選択とされるが,患者の状況,腫瘍の性状,術後のQOLなどを考慮して,放射線療法を適応すべき場合も少なくない.その適応と実際について考察を加えた.

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© 2005 日本皮膚科学会
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