日本皮膚科学会雑誌
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原著
膠原病に伴ったトキソプラズマ感染症―様々な膠原病患者のトキソプラズマ抗体価の比較―
菅原 京子小寺 雅也臼田 俊和東谷 薫岩田 洋平市川 一夫
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2006 年 116 巻 1 号 p. 61-70

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抄録

トキソプラズマ感染症は,免疫抑制状態にある膠原病患者における日和見感染症の一つとして知られており,しばしば髄膜炎や網脈絡膜炎などの症状を呈する.筆者らはトキソプラズマ感染症を併発した膠原病の2例を経験した.症例1は49歳,全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus:以下SLEと略)・強皮症(Systemic Sclerosis:以下SScと略)のoverlap症候群の男性で,あとから筋症状が出現し,多発筋炎/皮膚筋炎(Polymyositis/Dermatomyositis:以下PM/DMと略)合併との鑑別診断に苦慮したが,トキソプラズマ抗体価の上昇が認められたこと,抗原虫薬投与により筋症状が消失したことから,トキソプラズマ症と診断できた.症例2は56歳の男性DMの患者で,治療中に眼トキソプラズマ症を発症した.ところでPM/DMの患者においては,トキソプラズマ抗体価が他の膠原病患者より有意に高率であると,欧米を中心に報告されている.そこで,当施設190例の膠原病患者のトキソプラズマ抗体価を測定して検討を行ったが,SLE,Sjögren症候群(Sjögren’s syndrome:以下SjSと略),SSc,PM/DMで有意な差は認められなかった.

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© 2006 日本皮膚科学会
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