日本皮膚科学会雑誌
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原著
長期間経過を観察しPCR-SSCP法でATP2A2遺伝子に変異を認めなかったPersistent acantholytic dermatosisの1例
井川 哲子橋本 喜夫木ノ内 基史高橋 英俊山本 明美飯塚 一久保 等
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2007 年 117 巻 10 号 p. 1597-1601

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抄録

83 歳,男性.60 歳頃から瘙痒を伴う皮疹が出現し,71 歳時に初診した.その 1 年後に施行した皮膚生検の結果は,Darier 病類似の組織像であった.高齢発症で家族歴はなく,掌蹠,爪の病変がみられず,また皮疹は 10 年間寛解増悪をくり返していたことから,Persistent acantholytic dermatosis(PAD)と診断し経過を見ていた.2005 年前胸部に淡紅色不整形で角化傾向のある局面が多発し,皮膚生検によりSCC in situ と診断した.この際に,PCR-SSCP 法による遺伝子検索を行い,ATP2A2 遺伝子の変異は見られなかった.この結果と 20 年来の経過から最終的に PAD と診断した.

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© 2007 日本皮膚科学会
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