2007 年 117 巻 6 号 p. 959-962
中波長紫外線(UVB)は皮膚免疫に対して抑制的作用をもち,UVB誘導性免疫抑制として過去30年間,光免疫学の中心的研究テーマであった.UVBを予め照射しておくと,癌免疫も接触過敏症反応も抑制される.この機序は現在でいうところの制御性T細胞(regulatory T cell)が誘導されるために起こる.その誘導メカニズムは現在でも明らかになったと言い難いが,Langerhans細胞の数的・機能的減弱,ケラチノサイトからの抑制性サイトカインやプロスタグランディンE2産生などが関わっていると考えられている.