日本皮膚科学会雑誌
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原著
尋常性白斑に対する1ミリミニグラフト療法の検討
加藤 裕史新谷 洋一渡辺 正一金子 夏美西田 絵美山口 裕史森田 明理
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2008 年 118 巻 11 号 p. 2211-2217

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抄録

我々の施設では,以前より尋常性乾癬に対してPUVA療法などの光線治療をおこなっており,また,1999年よりナローバンドUVBも取り入れて多くの患者に治療をおこなっている.最近では尋常性白斑に対してナローバンドUVB療法・吸引水疱蓋による表皮移植術などをおこなっており,尋常性白斑の初診患者が多くなっているが,一部の症例で光線療法に反応が悪く難治なものが存在する.今回我々は1ミリ生検トレパンを使用し,植皮を行う,所謂ミニグラフト療法を,分節型5例,汎発型4例,限局型1例の計10例の尋常性白斑患者へ行い,分節型では術後2カ月~7カ月のフォローで平均62%の色素発色を認め,汎発型では4カ月~10カ月のフォローで17.5%の色素発色を得た.この治療法は,術後安静もほとんど必要とせず,また瘢痕も残りにくいため,尋常性白斑に対する治療として非常に優れたものであると考えられる.

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© 2008 日本皮膚科学会
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