日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
原著
関節症状を伴った乾癬に対するサラゾスルファピリジン腸溶剤の効能と限界
前島 英樹田辺 健一新井 達長橋 和矢白井 京美安藝 良一佐藤 勘治齊藤 典充勝岡 憲生齊藤 勝義
著者情報
ジャーナル 認証あり

2008 年 118 巻 3 号 p. 385-396

詳細
抄録

サラゾスルファピリジン腸溶剤(SASP)の投与が有効であった関節症状を伴った乾癬の2例を報告した.症例1は59歳,男性.多関節炎型の関節症性乾癬と診断した.しかし,膝関節については炎症の経過が異なっていたため,関節液の穿刺をしたところ,混濁した黄色穿刺液を認め,感染性膝窩嚢胞の合併と判断した.SASPを内服し関節症状の軽快を認めたが,関節の変形が目立ってきたため,メソトレキセートを追加した.症例2は,61歳男性.滴状型の尋常性乾癬と多発性関節炎があり,SASPの投与により紅斑および関節症状も軽快した.当科でSASPを投与した関節症状を伴った乾癬は上記2例を含めて8例経験している.当科における治療経験をもとに,関節症状を伴った乾癬に対するSASPの効能とその限界について提言する.

著者関連情報
© 2008 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top