日本皮膚科学会雑誌
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原著
尋常性ざ瘡に対する外用ALA-PDTの効果と副反応の検討
下田 貴子坪内 利江子川名 誠司
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2008 年 118 巻 3 号 p. 403-407

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抄録

近年,尋常性ざ瘡に光線力学的療法(photodynamic therapy:PDT)が試みられている.我々はざ瘡に対するPDTの有用性を検討するため,難治性の尋常性ざ瘡患者10名に,5-アミノレブリン酸(aminolevulinic acid:ALA)を用いた外用ALA-PDTを施行し,その効果,副反応を観察した.そのうち1例はテスト照射にて強い色素沈着を生じたため本照射を施行しなかった.残り9例に本照射を1回行ったところ,全例において,1カ月後にBurton scaleで1~2 gradeの皮疹の改善を認めた.副反応として,全例に照射部位に1~4日間持続する紅斑を認めた.このうち1例には紅斑とともに強い熱感と腫脹が生じ,2日目まで続いた.また5例には部分的に表皮剥離を伴い,7例にはざ瘡の一過性増悪を認めた.外用ALA-PDTは難治性ざ瘡に有効であるが,副反応をいかに予防するかが課題と考えた.

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© 2008 日本皮膚科学会
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