日本皮膚科学会雑誌
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原著
耳下腺リンパ節転移を生じた頭頸部皮膚原発悪性黒色腫―耳下腺領域および頸部リンパ節の取り扱いに関して―
中村 泰大中村 貴之石井 良征古田 淳一川内 康弘大塚 藤男
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2009 年 119 巻 14 号 p. 3051-3058

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抄録

耳下腺リンパ節転移を生じた頭頸部皮膚原発悪性黒色腫の2例を報告する.症例1:35歳男性.右頬部原発のtumor thickness 1.7 mmの悪性黒色腫で,センチネルリンパ節生検にて右耳前部耳下腺内のリンパ節に微小転移があった.原発巣拡大切除,耳下腺浅葉部分摘出術および選択的頸部郭清術(level I:顎下リンパ節,level II:上内深頸リンパ節)を施行した.郭清リンパ節に転移なく,病期はpT2aN1aM0 stage IIIA.術後DAVフェロン療法6コース施行し5年2カ月再発転移なく経過している.症例2:40歳女性.左こめかみ原発のtumor thickness 20 mmの悪性黒色腫で,センチネルリンパ節生検にて左耳前部耳下腺内の長径1.5 cmの腫大リンパ節にびまん性に腫瘍細胞が転移していた.原発巣拡大切除,耳下腺浅葉摘出術および選択的頸部郭清術(level I,II,III:中内深頸リンパ節)を施行した.郭清リンパ節に転移なく,病期はpT4bN1bM0 stage IIIC.術後DAVフェロン療法1コース終了後,耳下腺切除領域にリンパ節転移が再出現した.同リンパ節を局所切除後,耳下腺および頸部領域に放射線療法を追加したが,術後8カ月で肺転移が出現し現在化学療法にて加療中である.頭頸部原発悪性黒色腫は四肢体幹に比べて発生頻度が低く,耳下腺リンパ節転移陽性例を経験することは少ない.耳下腺リンパ節転移陽性の際は耳下腺浅葉摘出術および選択的頸部郭清術を原則として行い,特に耳下腺領域は耳介前リンパ節の郭清範囲にも取り残しのないよう留意すべきである.

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© 2009 日本皮膚科学会
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