抄録
24歳男性.1歳時に巣状分節性糸球体硬化症を発症し,13歳時に腹膜透析を導入している.脊髄馬尾腫瘍の経過観察のため,ガドリニウム(Gd)造影剤を用いてMRI検査を施行した6日後より突然,両前腕と下肢の浮腫,硬化が出現した.皮膚の硬化は急速に進行し,運動制限,膝関節痛を自覚するようになった.現症:両前腕,両大腿から下腿にかけて,境界明瞭な熱感を伴う黄褐色の硬いなめし皮様の局面を認めた.局面内には,頂点に黒色ないし灰白色の痂皮を付す小丘疹が多発していた.皮膚生検では,真皮から皮下脂肪織にかけて膠原線維の膨化,弾性線維の断裂,ムチンの沈着,線維芽細胞様細胞の増生,CD68,凝固因子XIIIa陽性の樹状細胞を認めた.Nephrogenic fibrosing dermopathy(腎性線維化性皮膚症)と診断した.さらに真皮浅層に裂隙を認め,その内部に石灰沈着を認めた.さらに一部では経表皮的石灰排泄像を伴っていた.