2009 年 119 巻 3 号 p. 345-349
58歳,女性.皮膚筋炎の診断でプレドニゾロン6 mg/日内服中,左内眼角に紫紅色斑が出現した.0.1%タクロリムス軟膏の外用に反応せず,徐々に頬部まで拡大した.病理組織学的にDLEに合致する所見が得られたが,真皮の膠原線維間および血管周囲に泡沫細胞の浸潤を認めた.泡沫細胞は胞体内に大小不同の多数の顆粒を有し,これらは蛍光顕微鏡下でyellow-orangeの自家蛍光を発しており,リポフスチンの沈着が示唆された.免疫血清学的検査で抗RNP抗体が陽性を示し,他の臨床所見もあわせ自験例をMCTDに生じた黄色腫型反応を伴ったDLE型皮疹と考えた.病理組織学的に黄色腫反応を伴うことは稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.