日本皮膚科学会雑誌
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皮膚科セミナリウム 第51回 膠原病1
成人スティル病
常深 祐一郎
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2009 年 119 巻 8 号 p. 1553-1561

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抄録

成人スティル病は,発熱,関節症状,皮疹を主要症状とする全身性炎症性疾患である.特異的な所見があるわけではなく,いくつかの臨床症状・検査所見から疑い,他の疾患を除外することによって診断する.フェリチン上昇が有名であるが,最近フェリチンのglycosylated fractionの著明な低下が診断的価値があるとする報告がなされている.診断に際しては,いくつかの診断基準が参考となる.皮疹は,発熱と共に初発症状となることが多く,診断的価値が高い.一般に定型疹が有名であるが,種々の非定型疹があり,われわれ皮膚科医にとっては重要である.治療は,ステロイドを中心として,NSAIDや免疫抑制剤が用いられ,生物学的製剤の有用性も明らかになってきている.

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© 2009 日本皮膚科学会
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