日本皮膚科学会雑誌
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原著
菌状息肉症に対するPUVAバス療法の効果の検討 2004~2007年の名古屋市立大学病院での症例解析
竹内 藍子前田 晃小林 桂子金子 夏美新谷 洋一山本 あい山口 裕史森田 明理
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2009 年 119 巻 8 号 p. 1585-1589

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抄録

皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)はその初期においては慢性に経過し悪性度も低いが進行期へ病期が進むと他臓器浸潤など悪性腫瘍としての経過を辿り急激な生存率の低下をみる.従って,CTCLの治療においては早期の段階で如何に進行を遅らせるかが肝要となる.今回我々は菌状息肉症に対するPUVAバス療法の有効性を検討した.当院で2004年から2007年までに経験した菌状息肉症27例につき治療前・治療後の臨床症状,病理組織学的所見,血清中のLDH・可溶性IL2レセプターにおいて比較検討した.その結果PUVAバス療法がのべ48例中39例(81.3%,腫瘤期を除くと86.7%)において著効を示した.またその他の総てのパラメータにおいて有意な改善を認めた.以上の結果よりPUVAバス療法は菌状息肉症の早期治療,進行の抑制に有効であると考えられる.

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© 2009 日本皮膚科学会
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