日本皮膚科学会雑誌
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原著
多彩な皮膚症状を呈したWiskott-Aldrich症候群
森田 美穂新山 史朗齊藤 典充坂東 由紀勝岡 憲生
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2009 年 119 巻 9 号 p. 1851-1855

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抄録

1カ月男児.出生体重2,990 gの正常分娩児.生後1週頃より血便,発熱が出現した.口腔内アフタ,毛包炎も認められていたことから当初ベーチェット病類縁疾患を疑った.メサラジンの注腸,ステロイドの全身投与,さらにシクロスポリンやサリドマイドの投与を行ったが全身状態の改善は認められなかった.消化管出血はさらに増悪し持続することから,生後8カ月で大腸亜全摘術が施行された.生後10カ月からは皮疹は湿疹病変が主体となり,その他カリニ肺炎,敗血症に罹患し,蜂窩織炎を繰り返すなどの免疫能の低下が示唆され,サイズの縮小を伴う血小板減少を認めたことからWiskott-Aldrich症候群(Wiskott-Aldrich syndrome:WAS)を疑った.そこで,WAS蛋白(Wiskott-Aldrich syndrome protein:WASP)遺伝子を検索したところ,exon4にmutationを検出し,WASと確定診断した.

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© 2009 日本皮膚科学会
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