日本皮膚科学会雑誌
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速報的小論文
牛蒡アレルゲンの同定
石川 博康熊野 高行角田 孝彦森山 達哉
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2010 年 120 巻 11 号 p. 2219-2222

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抄録

【症例1】蕁麻疹の既往がある53歳,男性.加熱調理したゴボウの摂食後にアナフィラキシーショックを呈した.Prick-prick testでは生ゴボウ,加熱ゴボウ共に陽性を示した.【症例2】モモとメロンの口腔アレルギー症候群(OAS)の既往がある31歳,女性.加熱調理したゴボウの摂食後に全身の蕁麻疹と消化器症状を呈した.Prick-prick testでは生ゴボウは陰性,加熱ゴボウが陽性を示した.【解析】2人の血清を用いたイムノブロットの結果,症例1では35 kDa付近に,症例2では17 kDa付近にバンドを認め,それぞれ原因抗原と推測された.35 kDaのタンパク質はアミノ酸配列解析によりperoxidase(POD)であることが,17 kDaのタンパク質は[Cu-Zn]superoxide dismutase(SOD)であることが判明した.

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© 2010 日本皮膚科学会
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