日本皮膚科学会雑誌
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皮膚科セミナリウム 第58回 物理・化学的皮膚障害
化学熱傷と薬剤による皮膚障害
湊原 一哉
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2010 年 120 巻 2 号 p. 193-200

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抄録

化学熱傷とは酸やアルカリを代表とする様々な化学薬品によって引き起こされる熱傷様の皮膚・粘膜障害である.原因となる化学物質は膨大な数におよぶ.そのため,初期の対応にとまどうことが少なくない.本稿では原因となる主な物質の分類と作用機序,診断時のポイント,および一般的な治療について述べた.薬剤による皮膚障害については薬疹の分類や薬剤性接触皮膚炎などの範疇には含まれない疾患の中で,日常臨床で遭遇することの比較的多い注射薬剤による漏出性皮膚障害を中心に記した.また,ある種の薬剤には特異的な皮膚障害をもたらすものがある.とりわけ抗がん剤で特殊な副作用を認めることが多く,いくつかの事例をこれまでの報告を参考に記載した.

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© 2010 日本皮膚科学会
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